この記事では、忙しい社会人の方が独学で勉強する際にお勧めの勉強方法のファーストステップ、「音読セット」についてご紹介します。
「音読」が語学の学習に効果的であることは、多くの本や研究で述べられていると思いますし、実際に私が20年以上英語の勉強を継続してきて、効果を実感しています。
「音読セット」としたのは、音読(テキストを見ながら声に出して読む)をいきなりやるのではなく、その前に正しい音を聞く(リスニング)、リピーティング、等をセットとして実施すると効果的ですので、「音読セット」としました。
この「音読セット」は、1つの教材(本やアプリなどなんでも良いです)を複数のアプローチで学ぶことができ、単調になりがちな独学の勉強をマンネリ化させないという効果があります。また、教材を「ただ聞いて問題を解くだけ」で終わらずに、暗記できるまで活用できるので、1つの教材に集中して取り組むことができます。
「音読セット」の具体的な方法はこちらです。
1.リスニング
2.ディクテーション(オプション)
3.テキストを見ながらリピーティング
4.音読
5.テキストなしのリピーティング
6.シャドーイング
7.チラ見で音読
8.(発展)サマリーを書く。意見を書く。
それぞれ、特徴がありますので、実際に試してみてください。一連の流れで実施すると効果的ですが、いきなり色々やろうとすると継続が難しくなり、モチベーションダウンに繋がると思いますので、まずは継続しやすい方法でやってみることと良いと思います。
より具体的に理解するために、今回は、社会人の方はビジネスで英語を使いたいという方が多いと思うので、TOEICの公式アプリ「TOEIC presents English Upgrader」を使用している想定で、書いていきます。
ただ、このアプリ以外でも、①英文と、②その英文を読み上げた音声の二つがあるものでしたら、何でも大丈夫です。
「TOEIC presents English Upgrader」は、難しいと感じた方は、NHKの英語講座、その他英語アプリなど自分のレベルにあっているなと感じるもの、興味をもって出来そうだと思うものを選んでください。お勧めな教材やアプリについては、別の記事で紹介します。
ただし、文法がほぼ全く分からない、単語もほとんど分からないというレベルでしたら、音読セットと並行して、文法・単語を別途実施する方が良いと思います。
1. リスニング
まずは、英文(スクリプト)を見ずに聞いてみます。見ないでどのくらい理解できているか何となくで良いので確認します。問題がついているものは、それに答えて確認します。
2. ディクテーション (ビギナーレベルの方はオプション)
ディクテーションとは、聞こえた英語を書き取ることです。
冠詞、複数形、前置詞などに気を付けて書き取ります。
ディクテーションはリスニング力向上にもいいですが、文法の理解にもとても役に立ちます。英語は、弱く発音される冠詞や前置詞などが聞き取りにくいので、初めはそれを聞き取れないことが多いかと思いますが、繰り返し実施していくと徐々に、自分が理解できていない文法が何か分かってきます。また、文法上ここに何か単語がないとおかしいということが分かってきます。
ディクテーションをしていて、これ以上聞き取れないなというところまできたら、実際に書かれた英文を見て、自分が書き取った英語との整合性を確認します。「分からなかったところがあって悔しい、気になる」→確認して「聞き取れなかった単語はこれだったのか!」と分かるのが、記憶に残りやすく、効果的だと思います。
ビギナーレベルの方は、ディクテーションは少し負荷が高いと思いますので、オプションとして考えば良いと思います。
3.テキストを見ながらリピーティング
次に、テキストを見ながら、音声を適当な場所で止めて、リピートします。文まるごとが難しい場合は、フレーズでも良いです。ネイティブの音声を真似して、特に聞き取りにくいところは繰り返し行います。くっついて聞こえるところ(but I→バライなど)は、そのようにくっつけて発音したり(リンキング)、強弱、リズム、区切りを意識して、真似してリピートしましょう。
4.音読
次に、テキストを見ながら、自分で声に出して読んでみます。音読をする際のポイントは以下になります。①口をできるだけ大きく動かす ②「3のリピーティング」で行った際のネイティブの音声を真似て読む。
回数を重ねると、日本語を介さずに直接理解ができてきた感じがすると思います。
その音声を読んでいる人物になったつもりで、また、まるでそのシチュエーションにいるつもりで感情を込めて選んでみましょう、ジェスチャーなどを付けても良いと思います。
5.テキストなしのリピーティング
今度は、テキストを見ないで、音声だけを聞いてそのあとにリピートします。文全体が長ければ、フレーズごとに区切って行います。
これは、難易度が高く、音読が不十分だと効果が無いので、しっかり音読を行った後に実施すると良いと思います。
6.シャドーイング
聞こえた音声を、聞こえたあとすぐに、追いかけるようにリピートするのがシャドーイングです。
影のようにリピートするところからシャドーイングと呼ばれます。
具体的なやり方は以下になります。
“Good morning, everyone. Let’s start a meeting”
という英文で始まる文章の場合、Goodが聞こえたら、すぐGood, morningか聞こえたらすぐmorningと言っていき、遅れないように聞こえたらどんどん言っていきます。
自分の声が大きいと、英文が聞こえなくなってしまうので、イヤホンを使ったり、自分はぼそぼそ言うようにしたりして、英文が聞こえなくならないようにします。
私が隙間時間に実際に私もやっているのは、このシャドーイングです。
シャドーイングのメリットは以下になります。
①実際に口を動かすことができ、耳と口の両方を同時に鍛えることができる
②集中しないとできないため、短時間でも効果が高い
③音声を聞ける環境があれば、どこでも、場所を問わず実施できる
シャドーイングはただのリスニングと違って、耳で聞くだけでなく、口を動かすので、1度に耳と口両方を鍛えられることにあります。ただの聞いているだけのリスニングですと、集中してるつもりになっていても、やはりどうしても集中が途切れてしまいやすいですが、シャドーイングの場合は実際に自分もアクションを起こす必要があるので、集中が途切れにくくなります。
私は時間がある時はとにかくすぐにシャドーイングをします。通勤時間に電車の中で口パクでで行うこともできるし、歩いている間にもできます。
5分だけでも、実際に口を動かすと、英語を話すための筋肉が鍛えられ、英語が滑らかに出るようになってくると思います。
私が通訳学校で勉強していた時も、シャドーイングをとてもたくさんやりました。
7.チラ見で音読
最後は、英文をちらっと見るだけ、もしくは日本語訳のヒントをちらっと見るだけで、英語を音読するというのというのをやってみましょう。ここまでやると、かなり覚えられていると思います。
8.(発展)サマリーを書く。意見を書く。
これはライティングになるので発展した内容ですが、その英文の内容について要約文(サマリー)を書いてみたり、内容に関する自分の意見を一言書いてみるというのもできますね。
この記事のまとめ
英語の基礎力向上にお勧めなのは、音読を中心とした「音読セット」です。
「音読セット」のまとめ
1.リスニング
2.ディクテーション(オプション)
3.テキストを見ながらリピーティング
4.音読
5.テキストなしのリピーティング
6.シャドーイング
7.チラ見で音読
8.(発展)サマリーを書く。意見を書く。
1つの教材を、色々なやり方で勉強する方法をご紹介しました、毎回全部をやるというのはとても負荷がかかると思うんで、その時、自分ができるものをやると良いと思います。毎日英語を口に出していると、少しずつ滑らかに読めるようになりますので、続けてみてください。
コメント