忙しい社会人の方にとって、英語の勉強を継続・習慣化させることは、なかなか難しいことだと思います。 また、何から始めて良いのかわからないということも多いと思います。
私自身、幼児を育てながら働くワーママで時間がない中、時間を捻出して英語の勉強を続けています。また、人に英語や英語の学習方法を教えていて、英語力が向上する人としない人の違いが分かってきました。
この記事では、社会人の方にお勧めな英語学習法と、学習を継続させるための具体的な方法をご紹介します。
ポイントは以下になります。
①英語ができるようになったときのポジティブなイメージを大切にし、目標を明確にする
②少しずつでもとにかく続ける(一人では無理なら仕組みを使う)
③英語力を定期的に確認する。
一から始める社会人のための英語学習の具体的なステップ
具体的な流れは、以下になります。
1. 勉強の目的を明確にする
2. 具体的な目標を決める
3. 目標に合った勉強方法を知る、試す、色々やってみる
4. 継続する習慣を身につけて、毎日続ける
5. 定期的に英語力を確認する
1. 英語を勉強する目的を明確にする
英語を勉強したいと理由は何でしょうか。また目標は何でしょうか。まずはそこを考えてみるのをお勧めします。英語だけではなく、色々なことを達成した方の多くが、ゴールを明確にすることの重要性を挙げていると思います。
まずは、こちらの問いに対して、実際にご自分の考えを自由に書いてみてください。
①英語を勉強する目的、理由は何でしょうか。
②英語ができるようになったら、やってみたいことは何ですか。自分がどんな風に変わると思いますか。どんな良いことがあると思いますか。思いつくままに、どんどん書いてみましょう。
③(既にある程度出来るという方)英語ができて、良かったことは何ですか。
④英語ができるようになり、より幸せになった自分をイメージしてください。
⑤④のイメージに合う写真をスマホの待ち受けにしたり、手帳に挟んだり、部屋に飾ったり、毎日目にするところに置いてください。(無意識に働きかけます)
ダイエットも語学学習も、習慣づけという意味でとても似ていると思います。勉強の動機としては、「憧れ」のイメージがあるとモチベーションが継続しやすいということは、多くの本にも書かれています。
英語ができるようになったら、やってみたいことも、現在の英語力に関係なく、どんどんリストアップしてみましょう。
そして、そのワクワクしている気持ちが大切だと思います。モチベーションが下がっているときにも、ワクワクを思い出すと良いでしょう。
私の場合は、小学生の頃から英語がなんとなく好きだったのですが、今振り返るとその理由としては、当時TRFを始めとする小室ファミリーやB’zが大好きで、英語をかっこよく歌っていることに憧れを抱いたことが大きく影響しているのではと思います。
英語学習の理由が昇格のために必要だから、とか本当は好きではないけど上司の指示で、など本当はあまり好きではないけどやらざるを得ない、とになったという方もいると思います。
そういう方も、出来るだけこのワークをやって、ポジティブなイメージを大切にしてみてください。
逆に、「英語ができなくてあの時、とても悔しかった」「英語ができるようになって、あの人を見返したい」、というようなドロドロとした気持ちも、すごく力になります。
私も、大学入学後に帰国子女が多いクラスになり、周りの人がみんな楽しそうに先生と話しているのに自分だけ分からないという惨めな気持ちを味わったことが、その後奮起する良いきっかけになりました。
ワクワクした気持ちと、ドロドロとした気持ち、両方あって良いと思います。ただ、「上司に言われたから」などの他責な理由ですと継続が難しいと思うので、自分で考えて、目的を明確にすると良いと思います。
2. 具体的な目標を決める SMART Goal
英語が出来るようになって、より幸せになった自分をイメージ出来たら、次は具体的なゴールを設定します。
ゴールを設定する際に、効果的な観点はこちらになります。
SMART GOAL
S…Specific (明確な) :明確で、具体的かどうか
M…Measurable(測定可能な) :達成度合いが客観的に測れるか
A…Achievable(達成可能な) :達成可能な、現実的な内容かどうか
R…Related (関連した) :自分の価値観、実現したいことに関連しているかどうか
T…Time-bound(時間制限がある):期限が決まっているかどうか
漠然としていた夢や希望が、具体的な行動に移せるように上記の点を意識してゴールを設定します。
例えばTOEICの点数など、具体的な数値や期限がある方はゴールが明確かと思います。
漠然と「いつか英語が話せるようになりたいな」という感じのイメージだけですと、なかなか具体的な行動に移しづらく、先延ばししてしまいがちなので、英語は検定試験結果など定量的な目標をまずは設定すると良いでしょう。具体的な点数があると、短期的、長期的な目標も設定しやすくなります。
検定試験は色々ありますが、社会人の方でしたらTOEICが一般的ですね。
TOEICが高得点でも話せない、などの話も出ますが、私の経験や多くの方のTOEIC結果とスピーキング力を見て思うのは、TOEICが例えば800点とか900点以上でしたら、全く喋れないという方はあまりいないと思います。
やはりリスニングとリーディングスキルと、スピーキング・ライティングスキルは相関している部分も多くあると思います。
まずは社会人で、基礎力を向上させたいという方でしたら、社会的にも認知度が高く、受験も気軽にでき、具体的な数字として結果が見えるTOEICの点数を目安にするのをオススメします。
スピーキング力を上げたいという方でしたら、TOEIC Speaking testもありますし、他にもいろいろあります。留学などで特定の試験のスコアが必要という場合以外は、気軽に受けられる金額のものを定期的に受け、スコアを確認することは、モチベーションの維持にも効果的です。
ゴールを達成する期限が決まったら、逆算していくと、半年、三ヶ月、一ヶ月、一週間、今日、何をしないといけないのかが見えてくるかと思います。
ちなみに、どのくらい勉強したらTOEICが何点くらい上がるのか、ということですが、現在のスコアが低いほど、伸びしろが大きいのでスコアはあがりやすいでしょう。
多くの英語学習本や第2言語習得に関する本にも書いてありますが「一年間かけて例えば30分ずつこつこつ勉強する」というよりも、「三ヶ月間、毎日2時間ずつ勉強する」方が、時間対効果が高いです。
また、これは多くの方を見てきた経験則ですが、1日2時間は英語の勉強にあてると、英語力向上が自分でも実感できやすいと思います。期限を決めて、人生における英語の優先度を上げるというをお勧めします。
忙しい社会人にとって、時間を生み出すかは一番の課題です。まとまった時間なんて取れないという方が多いと思いますので、隙間時間を活かしていくことになります。
隙間時間にお勧めの勉強は、以下になります。
1.スマホを使った勉強(英語を聞く、聞いてシャドーイングをする、英語を読む)
2.スマホを使えない状況(例:満員電車の中、お風呂など)の場合、見えた状況を英語で描写する、考え事を英語で行う)
隙間時間にやることと、まとまった時間に行うことをそれぞれもっておくとよいでしょう。
3. 目標に合った勉強方法を知る、試す、色々やってみる
大切なことは、「何をやるかを一旦決める」ということです。
英語教材やアプリは大量にあるので、どれが自分にとってベストなのか調べると切りがなくなると思います。アプリなどはレビューは参考にしつつも、結局使ってみないと分からないところが多いので、色々試してみて、自分に合うなと思うものを続けてみるといいと思います。
また、やってみて飽きてしまった、もしくは合わないなと思ったら、別の方法を試せばよいだけです。迷ったり悩んでいる時間がもったいないので、どんどん試してみるといいのではと思います。自分に合った勉強方法はやはりやってみないと分からないからです。
どんな教材やアプリを使うにしても、効果的な勉強方法は、「インプットとアウトプットを交互にもしくは同時に行う」ということです。
具体的には、音声を聞いたら、それをただ聞いて、問題に解くだけではなく、声に出して読んだり、シャドーイングやディクテーションをしたり、登場人物になりきって読んでみたり、意見を書いたりというアウトプットも一緒に行うということです。
例えばリスニング力を上げたい場合、英語のリスニング教材(聞き流すだけなどの教材)をただ聞いていても、別のことを考え始めてしまったり、つまらないので継続が難しいことが多いと思います。
私も英語ニュースのラジオなどを聞き、なんだか英語を勉強した気になってしまうことがあったのですが、聞き終わった後、何の話題だったのかと言おうとすると全然出てこないということがあります。
リスニングとリーディングは、受動的になるので、それだけではやや効果が出づらいかと思います。(ただし、ある程度英語力がついて、聞くだけで理解でき、内容を楽しめるくらいになっていたりする場合は別です)
おすすめの教材や、アプリは別の記事でご紹介します。
アプリと本など、別媒体のものは同時にいくつか使い分けても良いと思いますが、例えば本を何冊も同時に使うのは難易度が高いので、まずは一つの教材を決めて勉強すると集中できて良いと思います。
がっつり勉強する気分になれないときは、英語の映画やドラマを見たり、音楽を聴いたり、気楽にできることを行うと良いでしょう。
スピーキング力を向上させたい場合は、独学のインプット&アウトプット練習も非常に効果的ですが、オンライン英会話の活用も効果的です。現在、色々なサービスが安価で利用可能で、初めに無料トライアル期間を設けていることがほとんどだと思うので、実際に試してみることをおすすめします。
オンライン英会話は、とにかく外国人の方と話すことに慣れることができますし、回数を重ねることで自分の英語力向上を確認でき、モチベーションをキープするのにも効果的でしょう。
4.継続する習慣を身につけて、毎日続ける
英語の学習は、とにかく継続できるかどうかにかかっていると言っても過言ではないと思います。
新しいことを継続するのに大切なことは、「環境を整える」ことだと思います。
具体的には、以下になります。
①1日の中で、いつ・何の勉強をするのかを決める
②フィードバックが得られる仕組みを取り入れる(一人でやらない)
③継続できる物理的な環境を整える
それぞれについて、補足します。
①1日の中で、いつ・何の英語の勉強をするのかを決める
「いつやるか」について
おすすめは早朝の頭が冴えている時です。朝は、一番「ウィルパワー」が多いので、朝には、問題を解いたり、音読したり、スピーキングを行ったり、やや頭を使う方法の勉強を行うと効果的です。
寝る前は、覚えたい単語など暗記系の勉強を行うと、寝ている間にそれが徐々に定着するとよく言われています。
昼休みや移動時間、家事や歯磨きの間など、隙間時間にできることや、何かと同時にできることを行っていくと、15分×4で1時間になります。
また、新しいことをやるためには、「やめることリスト」を作ることをオススメします。
すでに今私達は24時間もう目いっぱい使っていますので、To doリストを作る代わりに、「やめることリスト」として、やめたいことをリストアップしてみると効果的です。なんとなく時間を使ってしまっていることをやめると、別のことに時間が生み出せると思います。
そしてまずは、1日に15分だけ、など短い時間からコツコツ実施して、とにかく全く英語に触れなかったという日を無くすと良いと思います。
「何をやるか」について
勉強のたびに「今日は何をやろうか」と判断していると意志力を使ってしまうので、「当分これをやろう」と決めることをお勧めします。一週間程度やってみて、本当に興味が沸かなければ別の教材を使うなどを試すと良いと思います。
②フィードバックが得られる仕組みを取り入れる(一人でやらない)
フィードバックを得るというのは非常に重要です。というのも、何かを新しく継続して行うことを習慣化するには、かなりエネルギーが必要です。そのため、自分の意志の力に頼るのではなく、環境を整えることが重要だと思います。
例えば、毎日会う人が全員英語の勉強していて、効果的な英語の勉強法を教えてくれたり、英語ができてこんな楽しいことがあった、などを話していたら、英語について思い出す機会が増え、より自然と英語を行う時間が増えると思います。
逆に、英語が大嫌いな人しか周りにいなければ、英語についてのマイナス面が無意識に影響してくるでしょう。自分と環境は切り離せないほど繋がっています。
具体的には、以下の方法が効果的だと思います。
①同じ目標の人と成果を報告しあう(みんチャレ、FacebookやLINEグループなど)
②同じ目標と人と、一緒に勉強する(英会話学校、サークルなど)
③英語をマスターした人からフィードバックを得る
一人で行うと、自分の意志に頼ることになりますが、一緒に頑張る人がいると単純に楽しかったり、自分が知っていることを教えることで役に立ててよりポジティブになったり、「怠けた自分を見せたくない」という心理が働いたりと、効果的です。
私も「みんチャレ」のおかげで、継続できている習慣があります。
英会話学校や、英語サークルも、決まった時間に同じ目的の人と会って、お互い刺激しあえるので効果があります。
また、英語をマスターした人に質問したり、フィードバックを得られることは、悩んだり迷ったりする時間を最小化することができ、効率的です。
③継続できる物理的な環境を整える
英語以外に気になることが多い場合は、それを先に処理してしまうことも良いでしょう。
片付けの効果は、色々なところで言われていますが、自分の思考を整理するのにとても効果的だと思います。片付けを行うことで、自分の大切にしたいことがより見えてきます。
自宅で集中して勉強できない場合は、図書館やカフェなど、場所を変えてみるのが一番良いでしょう。
5.定期的に英語力を確認する
初めに決めたゴールに対して、定期的に検定試験等を利用して英語力を確認することが効果的だと思います。1年後の目標も、半年、3カ月、1カ月など短期的にチェックすると、より自分の力の伸びが見えやすいと思います。
毎日自分と向き合う時間を設けることもおすすめです。
私は朝起きてすぐ、前日の振り返りをしたり、今考えていることや今日やりたいことを書くことを習慣としています。この習慣をつけてから、自分が何をやりたいのかや、何にモヤモヤしているのかなどが、徐々に明確になりました。また、始まったばかりのその日を良い日にしようという気持ちになります。
6.まとめ
もう一度、流れをまとめると、以下になります。
1. 勉強の目的を明確にする
2. 具体的な目標を決める
3. 目標に合った勉強方法を知る、試す、色々やってみる
4. 継続する習慣を身につけて、毎日続ける
5. 定期的に英語力を確認する
ご参考になれば幸いです。
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